胎児の世界―人類の生命記憶 (中公新書 (691))



胎児の世界―人類の生命記憶 (中公新書 (691))

商品カテゴリ:医学,薬学,医療,看護,介護
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起源に想いを馳せてみる?

 発生学に興味があり「内臓のはたらきと子供のこころ」に
引き続き本書に挑戦してみたのですが、やはり難解でした。
専門用語が多い訳ではありません。おそらく余りに内容が
文学的(?)に書かれているためなのでしょう。

 分かりやすい発生学やその知識などは本書には、
期待できません。しかし、ヒトの生命やその起源について、
普段意識しているような時間軸を飛び越える大きな流れを
実感させてくれるはずです。

これが「生命誌」という分野の”はしり”だったのかも知れない

脳科学者・茂木健一郎氏の本で著者の名を知り、興味を覚えた。
「人間の胎児は、母の胎内で、数億年の進化の歴史を追体験する」…という有名な話の、つまりこの人が“元祖”的存在らしい。なのですが…この本は「新しい科学的知識を得たい!」というようなニーズには、多分、全然、適していません。
 四半世紀も前に書かれた本なので情報や学説が古いのは仕方ない。が、そもそも当時のスタンダードな学説に依拠した内容かどうかさえ怪しい。というより、これは「科学書」ではないのではないか。SFというか、「サイエンス・ロマン」とでもいうべきジャンル(が存在するのか、よく分かりませんが…)の本ではないか。
 この本で著者が繰り返し述べていること。それは…
 「我々の生命は、この地球上で数十億年前に生まれた最初の生命から、途切れることなく続いてきたものだ。その間、地形や気候の大変動など、絶滅に瀕する危機と度々戦いながら受け継がれてきたのだ」…という、つまり「生命の神秘」「生命の尊厳」というメッセージを、様々な事例を持ち出し、さまざまな角度、次元から、力強く訴えている。
(若き日の)脳科学のスーパースターに強烈なインパクトを与えたのは、この「強い思い」と「伝えようとする力」だったのだろう。「科学知識」ではなく、彼のメッセージを受け止めよう…そんな思いで読むべき本だと思います。
生命の神秘に関する壮大な物語

 最初の「椰子の実」や「絹の道」等の解りやすい話から始まるが、全体を通してかなり難解な本でした。読み進むのにかなり苦労しましたが、途中から著者の世界観に圧倒され、引き込まれていきました。
 この本に対する専門家の科学的な評価は良く知りませんが、太古からの生命の神秘に関する壮大な物語を聞かされたような気がします。
 たぶん、これは宗教的な感覚に似ているのではないでしょうか?たまには俗世間から離れて太古の夢に身を任せるのもいいと思います。
なんというか・・・

 正直言って、科学的な視点から言えば最低の本である。
 そもそも“科学的”と言われて絶賛されているこの本の論理展開のうち
で、本当に論理的なのはそのスタート地点にある解剖学の分野のみで、
そのほかの部分は著者の単なる勘および勘違いをそれにこじつけている
だけといっても過言ではない。この本の冒頭で、著者はゲーテの「五感
は誤らない。誤るのは判断である」という言葉を引用しているが、著者
はものの見事に判断の誤りを犯している。
 当然、それなりの知識を持った人が解釈を加えながら読んでいけば得
るところもそれなりにあるのだろうが、一般大衆向けの新書と言う形で
出版するには、あまりにも誤解を招く危険が大きすぎる。著者の東大医
学部出身という肩書きが、さらにこのオカルト的な内容の信憑性を高め
てしまっていて、いただけない。

 しかし一方、文学的な視点に立てば、この本は美しい表現と壮大な浪漫
主義に彩られた、まさに名著である。解剖学者であった著者が、なぜ東
京芸大の教授になりえたのかというところも、これを読めば納得できる
だけの内容になっている。

 しかしながら、この本が中公新書の「医療・医学」のジャンルから出版
されていること、哲学と自然科学との乖離の解消を私はこのような
方法では望まないこと、以上の二点から星1つを評価とさせてもらった。
畏敬!尊敬!素晴らしい!!

三木成夫を知ったのは、吉本隆明の本で、「なるほど、そう言う人がいるのか」と思い、この本を読んだ。

本当に凄い。著者の言葉は、深く核心に迫り、劇的で、刺激に満ちている。
しかも、悪い意味での「妄想」など全くない。全てが「科学」である。

成長繁茂、開花結実。食の相、性の相。
宇宙のリズムが内臓に貫入し、内臓は植物の面影を持っている。
猪木VSアリの対決に、ワニとゴリラの闘いを見る。
卵巣は、生きた惑星。全ての細胞は、天体。
伊勢神宮の式年遷宮は、「受精卵の発生分化」。神宮の森は、宇宙のはらわた。

宇宙発生から今に至る全ては、互いに共鳴し合っているのだ。
この本を読んでいる間、民俗音楽や波の音などが聞こえてきたように思う。
それから、私は福田恆存氏が大好きなのだが、何故か彼が笑っている夢をみた、本当に。

「少し」でも「何か」について、興味を持ったり、勉強している人は
「絶対必読」の本、と言っても過言ではないと思う。
神話、歴史、地球、宇宙、生物学、源氏物語、ギリシャ悲劇、俳句、バッハ、
平安朝、原始社会、福田恆存、保田與重郎、杉浦康平、松岡正剛などなど。

とにかく読んでみて下さい。
適切な推薦の言葉が出てきませんが、とにかくオススメ。



中央公論新社
内臓のはたらきと子どものこころ (みんなの保育大学)
海・呼吸・古代形象―生命記憶と回想
人間生命の誕生
ヒトのからだ―生物史的考察
生命形態学序説―根原形象とメタモルフォーゼ




胎児の世界―人類の生命記憶 (中公新書 (691))

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